「聴く力」を育てる音楽教育

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エドガー・ウィレムスの音楽教育研究

甥っ子と『はじめての土偶』

※今日の記事は、ウィレムスの音楽教育に関することではありません。

 

私には2歳半を過ぎた可愛い甥がいます。

とても無邪気で可愛くて、私は大変溺愛しています。

今日の記事は、そんな甥っ子くんとのエピソードです。

 

甥っ子は夏頃から「土偶」に夢中。

さかのぼること数ヶ月前、甥っ子が突然「かんじえちゃんと『とぐ』見たね〜」と言い出しました。

(かんじえちゃんとは私のこと。「かづえちゃん」とはまだ言えないところも可愛い)

私はその時初めて聞いたので「とぐ」って何?と思ったのですが、甥の母である私の妹によると、以前からしょっちゅう「とぐ!」「とぐ!」と連呼していたそうで、さらに私と一緒に見たと言い張っていたそうで、「ねぇ『とぐ』って何なの?」と聞かれました。

・・・が、私もわからない。

この日より少し前に甥っ子と公園に行っていたので、そこで一緒に見た何かかなと思って、あれこれ思い巡らせて「道具?」とか「どんぐり?」とかそれっぽい単語を挙げて尋ねてみるものの、「違うよ!」と。

もはや全然「と」にも「ぐ」にも該当しないものまで聞いてみても違うの一点張りなので、完全にお手上げ状態になっていました。

「えーー、『とぐ』ってなぁにー?」と聞き続けていたら、甥っ子もポツリと「・・・とぐって何だろう」などと呟いてしまう始末。

うぅーーー、わからなくてごめんねー。悲しい。

 

それから数ヶ月経って、少し前に甥っ子に会ったら、また唐突に「とぐ」と言い出しました。

それで、また「とぐ?誰と見たの?」と聞くと「かんじえちゃん!」と答えます。

しかしそのあとで重大なヒントが。

「トンネルで、かんじえちゃんととぐ見た!」

トンネル・・・?!

甥っ子と二人でトンネルを通るシチュエーションはそんなになかったはずなので、すぐに、夏に私が甥っ子と新幹線に乗ってアンパンマンミュージアムに行った時に通ったトンネルかな・・・?と思いました。

確かに、車内の各座席に置いてある冊子が仏像特集をしていて、甥っ子はずっと夢中になって見ていたんですよね。

「かんじえちゃん、これなぁに?」と聞かれて、「仏像だよ〜」といったおぼえはあるのですが、目を瞑っている仏像を見て何気なく「土偶みたいね〜」とか言ったのかも?

まさか、「とぐ」って土偶のこと・・・?

早速iPhone土偶を画像検索して「これ?」と聞いてみると、「これー!」と・・・!

何ということでしょう。

甥っ子は8月から今まで「土偶」を忘れられず、「とぐ」、「とぐ」と言い続けていたようです。

 

こうして、数ヶ月もの時を経て甥っ子と私たち大人の間で「とぐ=土偶」の公式が共有されたわけですが、そこからの甥っ子は私の携帯を見つけては「とぐ、けんしゃくしゅるー!(土偶、検索する)」と言ってきます。

そして、慣れた手つきでシュッシュと画面を動かし、例えば目を瞑った土偶(「遮光器土偶」というらしい)を見て「とぐ、ねんねしてるー」と言い出したり、「『でも、あたち起きたいのよー』って言ってるー」などと土偶の心情らしきものを表現してみたり、「どーうじょ(どうぞ)って、してるー」と言って土偶と同じポーズをとって見せてくれたり、不意に埴輪の画像が出てきた時も、「ホーッて言ってるねー」と口を丸く開けて目をしぱしぱさせてみたり、もう可愛いのなんの・・・。

とにかく、寝ても覚めても「とぐ」「とぐ」と言っています。

 

そんなに好きならば興味のある今のうちに・・・。

「今度一緒に、国立博物館土偶を観に行こっか?」と提案してみたら「行く!」と即答してくれて、ことあるごとに「ねぇねぇかんじえちゃん、とぐ観に行くー?」と聞いてくるようになりました。

まだ観に行けるまで少し時間がかかりそうだったので、予習がてら土偶について書かれている本をプレゼントすることに。

 

はじめての土偶

はじめての土偶

 

 

早速甥っ子に渡したところ、ものすごい集中力でずっと見続けてくれていました。

写真がたくさんなので、少しでも土偶に興味があれば子どもでも見やすそうです。

一つ一つ「これなぁに?」と聞いてくるので、そのうち妹も私もシルエットだけ見たら土偶の名前を言えるように・・・(すぐに忘れちゃいますが)。

これまでほとんど意識したことのなかった土偶という存在に愛着が湧いてきました。

それにしても、土偶に興味津々の2歳児。

これからが楽しみです。