ずいぶん前のことになりますが、このブログで、「物理的な音としては鳴っていない音を聴くこと=『内的聴感』というものの重要性」 について記事を書いたことがあります。
昨年出した拙著のタイトル『未来の音を聴く』も、ここから取っています。
内的聴感の重要性を語るものは数あれど、具体的な方法論に言及したものはなかなか見つけられなかったよ、ということも以前お伝えした通りです。
その中で、私の研究するエドガー・ウィレムスの音楽教育ではこの能力の育成にかなり重きをおいていること、そのための具体的な方法も提示していくれていることについても、すでに記事にしました。(↓以下参照)
詳しくは上の記事を再びお読みいただければと思いますが、そこでご紹介した実践例の中に、
短い歌を何度か歌い、繰り返すたびに、終わりの1音節、次に2音節・・・と、次第に言葉を消していく。例えば、「きらきらひかる おそらの ほしよ」 という元の歌詞があったら、まずは「きらきらひかる おそらの ほしー」のように「よ」の部分のみを内的に補完する。2回目は「きらきらひかる おそらの ーーー」、3回目は「きらきらひかる ーーーー ーーー」というように、回数を重ねるごとに内的に補完する音節を増やしていく。この後、一つのフレーズ全体を頭の中で思い浮かべさせてから声に出して歌わせる。
という方法を挙げています。
このたび、「まさにこの実践に適しているじゃない!」と思える英語ソングに出会いましたのでご紹介させてください。
英語ソング《ビンゴの歌(BINGO SONG)》
早速ですが、まずはYouTubeで見つけた音源を添付します。
二つあり、一つ目は原曲=英語歌詞のもの、二つ目は日本語の歌詞で歌われているものです。
面白いですし、こちらをご覧いただければもう後の説明はいらないかと思いますので(笑)、ぜひお聴きになってみてください。
ビンゴ「BINGO」 | 童謡 | Super Simple 日本語
いかがでしょう?
同じ歌詞を繰り返して歌うたびに「BINGO」の文字を頭から一文字ずつ消していき、その消したところに手拍子や膝打ちなどを入れています。
この手拍子・膝打ちになっている箇所の音をイメージの中で聴いて補完することによって、先にご紹介したウィレムスの実践が可能になるだろうなと思ったのです。
歌としてはかなりポピュラーかと思いますが、私は歌詞まではきちんと把握していませんでした。
最近わが子たちに英語の歌を聴かせている中で歌詞も耳に入ってきて、「お?これはもしや使える...?」と発見しまして。
レッスンの中では英語で歌えるならば英語でも、そうでなければ日本語の歌詞で歌うのでも問題ないと思います(英語のレッスンではないので)。
本を出してからというもの、大変ありがたいことに、さまざまな方からウィレムスの実践を「レッスンや授業で取り入れているよ!」と言っていただいています。
もし皆さまのレッスンや授業で使えそうでしたらぜひ《BINGO》試してみてくださいね!
そうして実践してみた様子や成果、ぜひ私までお知らせいただけたらとてもうれしいです。