久しぶりにゆっくりピアノを弾いて過ごせる幸せな休日の朝。
少し前にお贈りいただいた、スウェーデンの作曲家による優しく心地よい作品に浸っていました。
ペッテション=ベリエル作曲のピアノ作品集『フレーセーの花』。
今年、日本とスウェーデンの外交関係樹立150周年とのことで、それを記念して日本で初めて出版されたものです。
なんといっても最初に目を奪われるのは、この美しい装幀!
デザインも柔らかな彩りもとっても綺麗で、手にしただけで幸せな気持ちになれます。
私自身はこれまでスウェーデンの音楽に馴染みがなく、ベリエルのお名前も、お恥ずかしながら今回初めて知りました。
けれど、いざ楽譜を開いてみると、北欧の雄大な景色が思い浮かぶような、素朴な温かさに包み込まれるような作品ばかり。
次々と夢中になって弾きました。
けれど一筋縄ではいかないな、と思ったのは、私たちが感覚的におぼえている機能和声の進行とはまた全然異なる音の運びをしていて、「こう来たら次はこうかな?」と予想したところで見事に意表をつく響きが現れます。
私にはこれがとても新鮮で面白かったです。
本書の運指をお書きになった小川典子さんが、冒頭の「指使いについて」のところで
(前略)北欧の人々が演奏することが想起されていたからかも知れません、肉厚で大きな手が鍵盤に置かれることを前提に、幅の広いパッセージや和音が構成されていることに気がつかれることでしょう。
と述べておられるように、確かに全体的に左右とも和音の固まりをとらえて進行する印象です。
でも、それでいて不思議と重々しくなく、うまくいえないのですが温厚な感じ?、音の響きに優しさと、ありきたりではないおしゃれな感じを受けるのです。
本作品集は、中級(中学生)程度から演奏可能とのことですので、皆様にもぜひ弾いて、素晴らしい音の響きの世界を体感していただきたいです!