「聴く力」を育てる音楽教育

エドガー・ウィレムスの音楽教育を日本で初めてご紹介するページです。

日本で初めてウィレムスの実践に挑戦!(後編)

前回の記事に引き続き、先日私が3歳の甥を対象にウィレムスの音楽教育を実践してみた時の様子について記録したいと思います。

 

前回の記事はこちら。

kazuenne.hatenablog.com

 

今日はこのうちの後半の実践、つまり、

 

・机の上で手をこすったり叩いたり強弱をつけたり

細いクラベスを使って

・《きらきら星》をさまざまな調性で歌う(今回はC, D)

・ウィレムスのオリジナル曲《おさんぽべんごし》歌って→リズム打ち→拍打ち

 

これらの内容について振り返ってみたいと思います。

 

実践と、それぞれの手応え

後半の最初は、「机の上で手をこすったり叩いたり強弱をつけたり」という実践。

この実践は、読んで字のごとく、私が机を手のひらで撫でてみたり、「バン!」と強く叩いてみたり、規則的に拍を打ってみたり、爪で小さく「コトコト・・・」と音を出すところから始まって徐々に強くしていったり、あるいは弱くしていったり、とにかく私の動きと出す音を真似してね、というものです。

この実践、事前にも大丈夫だろうなと予想していましたが、甥は想像以上に上手に真似してくれて、クレッシェンドでだんだん音を強くしていくと声を出して笑ってくれました。

1歳半の姪も、さりげなく一緒に参加してくれていました。(可愛い!)

 

続いて、「細いクラベスを使って」。

まずは規則的な拍を私と一緒に叩くところから始めて、これは問題なくできました。

そうして拍を叩いてくれている間に、私がピアノで拍のはっきりとした音楽を即興的に乗せて、そこから徐々に速くしたり遅くしたり、強くしたり弱くしたりして合わせてもらう、というのが今回実践したかった内容なのですが、これはあまりうまくいきませんでした。

この辺りから甥の集中力が切れ始めてきた印象です。

一人で拍を叩き続ける、というのがそもそもあまり楽しくなかったのかも?

 

こういう時はパッと切り替える!

 

というわけで、次の実践、「《きらきら星》をさまざまな調性で歌う」に移行です。

まずはC-dur(ハ長調)で前奏を弾いて、歌ってもらいましたが・・・、残念ながらウトウトし始めてしまいました。

D-dur(ニ長調)にしてみてもほとんど様子は変わらず。

 

もうダメかなぁと思ったけれど、最後の「ウィレムスのオリジナル曲《おさんぽべんごし》歌って→リズム打ち→拍打ち」だけはお試しで実践させてもらいました。

これは、ウィレムスの歌に昨年私が日本語の歌詞を考えたものです。

原曲の曲名を直訳すると『彼は弁護士だった』という、何やら意味ありげな過去形になっているので、私はこれを「少なくとも今は弁護士の仕事をしていない」と解釈し、色々な言葉を考えた結果、子どもたちにもわかりやすく『おさんぽべんごし』というタイトルにしてみました。

ちなみに日本語の歌の歌詞は、

 

♪おさんぽ べんごし ラーンラララ ラーラ おさんぽ べんごし ラーンラララ ラー

♪(短調にして)ころんで 腕折った ラーンラララ ラーラ ころんで 腕折った ラーンラララ ラー

♪(長調に戻り)いたいの とんでいけ ラーンラララ ラーラ いたいの とんでいけ ラーンラララ ラー

 

メロディの楽譜がないとどんな歌かわかりにくいかとは思いますが、こんな感じにしてみました。

(この歌詞を考える過程はすでに楽譜つきで論文にしたのですが、まだweb上には上がっていないようですので念のため掲載を差し控えます)

明るく楽しくノリの良い、大変覚えやすい曲なので、私が何度か歌っているうちに甥にも一緒に歌ってもらえればと思ったのですが、面白がって聴いてくれてはいたものの、残念ながら一緒に歌うところにまでは至りませんでした。

 

・・・ところが!

この話には後日談があり、この実践を終えた数日後、妹が《おさんぽべんごし》のメロディを口ずさんでいたら、甥が「なんで転んじゃったんだろうね〜」と言ってきたんだそうです。

妹はびっくりして、「あれ?今歌詞つけて歌ってたっけ?」と思ったそうですが、実際にはやはり鼻歌だったようです。

実践した時にはウトウトしていたのに、ちゃんと聴いてくれて、歌詞まで覚えてくれていたんだぁ・・・と、思わずキュンとしてしまった出来事でした。

今度は一緒に歌えると良いな・・・♪

 

まとめ

こんな調子で、記念すべき第1回目の実践が無事に(?)終わりました。

課題は色々あると思います。

でも、前回の記事のまとめにも少し書きましたが、そもそも、最初からうまくいくことを期待しすぎてはいけないのかもしれない、というのは今回の重要な発見でした。

毎週決まったレッスンとして同じような内容を継続していくからこそ、子どもたちも様子がわかって、徐々に音を聴くことや意識を傾けるということを習得していくのかもしれません。

そうして繰り返し指導者がアプローチしていくうちに、次第に子どもたちの聴覚も研ぎ澄まされていくのかな、と感じました。

単発でやるだけでは、子どもたちも何をどうすれば良いのか戸惑ったり、見慣れない楽器を面白がったりするに止まり、こちらの教育的な意図を感覚的に理解するには至りにくいのかもしれません。

 

また、甥が《おさんぽべんごし》の歌詞の内容を記憶してくれていたように、その場で目に見えることが全てではない、ということもありますね。

子ども自身も参加している自覚がなくても、本人の中には何か響いて残っているかもしれなくて、それがいつか表面化するのか、あるいはしないのか、それも子ども次第なのだから、反応がないから何も感じていないと早合点するのではなく、反応が見えなくても何かが芽生えていると信じて継続してみることも大事なのだろうなと感じました。

いずれにしても、聴覚育成に関しては今日これやって明日効果が出た!というような、すぐに目に見える成果が現れる類の教育ではないわけなので・・・。

今回得られた成果を踏まえ、今後も積極的かつ継続的に実践を行っていきたいです!

 

おまけの写真・・・ 

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以前、甥が3歳のお誕生日を迎えた時に贈った、おもちゃのトランペット。

いつも私がピアノを弾いたりサックスを吹いたりするのに興味を示してくれるので喜んでもらえるかな、と思ってこれを選んだのですが、こちらが思った以上に喜んでくれました。

そして、しばらく経ってから妹と電話していた時に甥に代わると、開口一番「かんじぇちゃん、"ホランペット"、ありがと〜〜!」なんて言うので、びっくり&癒されてしまいました。

妹もこれにはびっくりしたそうです。

何にせよ、私にとってはたまらなく可愛い甥&姪です。

今回はご協力ありがとう!!