「聴く力」を育てる音楽教育

エドガー・ウィレムスの音楽教育を日本で初めてご紹介するページです。

【アーツマネジメント論】第4回&第5回

連休明けの昨日の授業は、90分×2コマ行いました。

今年度は私の都合で今後少し休講が多くなってしまうため、そのぶんの補講を別日程で確保する必要があり、もともとの授業がある昨日の最後の時間に1コマくっつけさせていただきました。

学生たちには夜まで大学に残ってもらうことになってしまうので、心苦しく思います。

特に昨日は午後から雨も強くなってきたので、1コマ目の授業が終わった段階で「これはみんな帰ってしまうかも・・・」と危惧したのですが、補講が始まる頃には続々とまた集まってきてくれました。

ただ、2コマ分の授業準備をまとめてするのは難しいですね。

私は毎回授業が終わった時点での進捗状況によって次の内容を考えているので、今回それができなくて、どこまでを1コマ扱いにするとうまくいくのか、悩みました。

 

「第4回」の授業

最初の時間では、「主催公演」についてお話しました。

そもそもどんなところが主催公演を行なっているのか、主催者は何に気をつけて企画を立てなければいけないのか、など。

また、実際に「とあるコンサートの価格設定例」として、2000人規模の大ホールでチケット料金をS席6,000円、A席5,000円、B席4,000円にした場合と、S席5,000円、A席4,000円、B席3,000円にした場合の合計金額、そして、招待席(売らない席)を50席確保したとして、それ以外の座席が100%、85%、70%売れた場合のそれぞれの収入はいくらになるか・・・?ということについて、(私の力作の)パワーポイントの資料を見てもらいながら説明していきました。

公演をするのにかかる費用の内訳の多さや膨大さについてもお話したので、「主催公演」というものの運営がいかに大変かについては理解してもらえたのではないかなと思っています。

また、今ちょうどフジコ・ヘミングさんのコンサートツアーが始まったタイミングでもあったので(しかも来週群馬にもいらっしゃる!)、これを事例として取り上げ、主催公演の他にも、公演をパッケージ化して地方のホールや新聞社やテレビ局、音楽事務所などに販売して主催元を移して公演を行う方法についてもお話し、せっかくなので実際にフジコさんのCDからリストの《ため息》を聴きました。

今年は6月にフジコ・ヘミングさんの映画も公開されるそうで、高崎でも観られるのでタイムリーだったかなと思います。

その後、東京芸術劇場の座席表を配布して、「皆さんが音楽事務所のマネージャーで、ウィーン少年合唱団の公演を主催することになったら、座席の配分をどうするか?」について考えてもらい、S席、A席、B席、C席の割り振りを座席表に直接書き込んでもらいました。

ここまでのところを第4回の内容として考えていて、「座席表を考えるときの視点」に関する解説から第5回にしようと考えていましたが、思ったよりトントンと進んで残り時間も10分くらいあったので、解説まで先に済ませてしまって、この時間を終えました。

 

「第5回」の授業

補講だったので、みんな一日授業を受けてきて疲れている時間帯ということもあり、まずは気分転換を兼ねてウィレムスの実践ではおなじみの「音当てクイズ」をしました。

kazuenne.hatenablog.com

 

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前回の記事でご紹介したベトナムの楽器など、昨日はこの写真に写っている10個の楽器を持っていきました。

まずは音を聴いてもらおうと、みんなの方に近寄って一つ一つの音を出していくと、身を乗り出して見てくれる学生もいました。

見た目と音とのギャップに笑い声が起きたり、「次は何だろう?」と瞳をキラキラさせてくれたりするので楽しかったです。

大学生にも喜んでもらえるんだな、というのは、嬉しい発見です。

私が一通りの楽器の音を鳴らした後で、教室内を周って何人かの学生たちにも好きな楽器の音を出してもらいました。

その様子を見てもらった後で、音当てクイズの開始です。

音が鳴り終わった瞬間、子どものように嬉しそうに手を挙げてくれる学生もいて、可愛かったです。

思った以上に盛り上がり、みんなの元気も戻ってきたようで一安心。

 

ここでサッと授業の内容に入ります(笑)

前の授業で皆さんに書いてもらった座席表について、どんなふうに配分した人が多かったか、ざっくりと集計した結果をお伝えしました。

その後は、芸術家の支援に関する歴史と現状について、パトロン制度がどういうものであったかについてから現在のメセナや助成、協賛といった形についてまでお話しました。

パトロンと芸術家との関係についてはさまざまな実例を挙げてお話し、また、そんなパトロンたちの支援によって生まれた作品を聴く時間も合間に設けていきました。

 

昨日は一日に2コマも私の授業があって皆さんぐったりしちゃったのではないかなと心配していましたが、授業が終わった後にある学生が「この授業が毎週楽しみです!」と声をかけてくれました。

そんなふうに言っていただけると本当に嬉しくて、元気が出ます。

また来週以降も頑張ろう!と思いました。