「聴く力」を育てる音楽教育

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【アーツマネジメント論】「野ばらプロジェクト」の運営

昨日は、第3回目の授業でした。

先週末に履修登録期間が終わったので人数を確認してみたところ、なんとさらに増えて73名になっていました。

多くの学生たちに思いを届けられるのは嬉しいことですが、最終的な企画の発表スタイルをどのようにしたら良いかなと悩みます。

連休中に良い案を検討しないと・・・!

 

 

さて、そんな昨日の授業には、素晴らしいゲストスピーカーの方をお招きしていました。

バリトン歌手であり「野ばらプロジェクト」の代表者も務めておられる𡈽田悠平さんです。

 

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111曲もの《野ばら》のCD(4枚組)と美しい公演プログラム

 

ゲーテの有名な詩『野ばら』に歌をつけた作曲家としてはシューベルトやヴェルナーの存在がよく知られるところですが、実際にはすでに111曲以上も見つかっているほど、本当に多くの作曲家がこの詩に歌をつけています。

𡈽田さんはそんな、まだ見ぬ《野ばら》との出会いを求めて世界中を飛びまわっており、これまでに何曲も発掘し、楽譜集として出版して、《野ばら》だらけの演奏会も度々企画・運営し、ご自身も歌い手の一人として舞台に立ち、その上さらにライブ録音してCD販売にまで結びつけていらっしゃいます。(こうして書き連ねてみただけでも息切れしそう!)

つまり、研究者であり、演奏家であり、プロデューサーであり、マネージャーでもあり・・・、これほどまでに多くの事柄をどれも片手間ではないレベルでこなしていらっしゃる方を、私は他に知りません。

さまざまな立場からアーツマネジメントを語っていただけるという意味で適任者だと思い、はるばる高崎までお越しいただきました。

 

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講義の前半では、ご自身が出演なさったコンサートがテレビ番組で取り上げられた時の映像資料を視聴し、実際にいくつかの《野ばら》の音源も聴き比べながら、まずは「演奏家」として解釈の多様性や楽譜に命を吹き込むことの重要性について熱く語ってくださいました。

いずれも音楽を考える人にとって本当に大切なことばかり、しかも私がアーツマネジメント論の授業の中ではなかなか十分な時間を割いて語りきれない部分について掘り下げてくださっていたので、本当にありがたかったです。

 

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講義の後半には、今度は「企画者」としての熱い想いを語ってくださいました。

一つの企画を実現するためにどれだけの綿密な計画と準備が必要であるか、そのためにどれだけの時間が必要であるか。

資金は、会場は、キャスティングはどうするのか。

熱意とやる気、具体案、明確な根拠、そしてそれらを他者にうまく伝えて仲間を増やしていくことの大切さ。

そして、「芸術的に意義のある公演」とは果たしてどういうものなのか?といった重要な問いかけまでしてくださいました。

これら一連のトピックについては、講義の最後に学生たち自身も何かしらの企画を考えなくてはいけないこともあってか、一人一人が「自分ごと」として捉えていたように思われました。

また、この授業内だけのことにとどまらず、学生たちにとっては近い将来に迫っている「就活にも必要な、重要な視点だと感じた」という意見も多くありました。

お話後に書いてもらったコメントペーパーも皆さんびっしり埋まっており、それぞれにとって実り多き時間になったことが感じとれます。

 

90分という限られた時間の中でいくつもの大切な要素をわかりやすく、しかも情熱的に伝えてくださって、おかげさまで楽しく意義深いひとときとなりました。

𡈽田さん、このたびは大変貴重なお話を誠にありがとうございました!