「聴く力」を育てる音楽教育

エドガー・ウィレムスの音楽教育を日本で初めてご紹介するブログです

『教育の覚え書き帳』(全17冊)の概要

ご無沙汰しております。

・・・って前回もこんな書き出しでしたが、諸事情により二ヶ月もの間、更新が滞ってしまいました。

ご訪問くださっていた皆様には申し訳ございません。

また再開していきたいと思います。

お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。 

 

* * * * *

 

さて、前回の記事でご紹介しました通り、ウィレムスは生前、自分で出版社Pro Musicaを立ち上げており、ここからたくさんの著書を出しています。

 

kazuenne.hatenablog.com

 

今回ご紹介する『教育の覚え書き帳(Carnets pédagogiques)』は、音楽の指導を始めたばかりの若い指導者を導く目的で書かれた全17冊ものシリーズ本ですが、これもPro Musicaから出版されています。

一冊あたりはわずか15ページ程度の薄い本ながら、それぞれ、ウィレムスが実践の中で大切にしている要素がギュッと凝縮された内容となっています。

 

『教育の覚え書き帳』全体の構成 

『教育の覚え書き帳』の17冊がどのように構成されているのか、以下にタイトル一覧を示します。

(日本語では出版されていないので、邦題は私自身によるものです)

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カラフルで、綺麗な装丁。

もちろんPro Musicaの特徴的なロゴもプリントされています。

 

・No. 0      子どもたちの音楽の導入(Initiation musucale des enfants

・No. 1      2音から5音の歌(Chansons de deux à cinq

・No. 2      音程の歌(Chansons d'intervalles

・No. 2B 音程の歌 ピアノ伴奏付き(Chansons d'intervalles avec acc. au piano

・No. 3    聴覚の訓練(Les exercices d'audition

・No. 4    リズムとメトリックの訓練(Les exercices de rythme et métrique

・No. 4B リズム打ちとリズム的な本能(Les frappés musical et l'instinct rythmique

・No. 4C 音楽教育の授業における音楽のリズムと本能的な動き(Le rythme musical et le mouvement naturel dans les cours d'éducation musicale

・No. 5   書き取りと読み取りの導入(Introduction à l'écriture et à la lecture

・No. 5B ソルフェージュのはじめに【絶版】(Les débuts du solfège

・No. 6    ピアノのはじめに【絶版】(Les débuts au piano

・No. 7    ピアノのための読譜の初歩(Première littérature pour piano

・No. 7B  4手のピアノのための読譜の初歩(Première littérature pour piano à quatre mains

・No. 7C  鍵盤のたのしみ(Amusements au clavier

・No. 8    ピアノのための12のやさしい曲(Douze pièce faciles pour piano

・No. 9    小さな歩行 ピアノ用(Petites marches faciles pour piano

・No. 10  小さな踊りと跳躍、歩行 ピアノ用(Petites danses, sauts et marches

 
No. 5Bの『ソルフェージュのはじめに』とNo. 6の『ピアノのはじめに』はすでに絶版になっていて、現時点では私も入手できていません。
タイトルから察するに、どちらもソルフェージュとピアノの導入に関することに触れられていそうなので、ウィレムスの実践を知る上でとても興味があるのですが・・・
他言語に翻訳されたものも含めて、引き続き入手の可能性を探っていきたいと思います。
 
各本の内容と構成の分類

『教育の覚え書き帳』の内容について、簡単に分類しておきます。

『No. 0 子どもたちの音楽の導入』は、ウィレムスの教育実践の概要がまとめられているので、ウィレムスの実践を知るためには全17冊中もっとも重要です。

そのため、これについてはいずれまとめてご紹介させていただきます。

『No. 1 2音から5音の歌』から『No. 5 ソルフェージュのはじめに(絶版)』までの9冊は、歌や聴覚育成、リズムなどといった諸要素に特化した内容となっています。

『No. 6 ピアノのはじめに』から『No. 8 ピアノのための12のやさしい曲』までの5冊は、ピアノ演奏の導入に向けられた内容です。

『No. 9 小さな歩行』と『No. 10 小さな踊りと跳躍、歩行』の2冊は、子どもたちの身体の動きを導くための指導者用の楽譜になっています。

 

また、これらの構成は、①文章による説明が大部分を占めるもの、②楽譜のみのもの、③文章と楽譜の比率が同程度のもの、の三つに分類することができます。

具体的には、

 

①文章による説明が大部分を占めるもの

『No. 0 子どもたちの音楽の導入』

『No. 3 聴覚の訓練』

『No. 4 リズムとメトリックの訓練』

『No. 4B リズム打ちとリズム的な本能』

『No. 4C 音楽教育の授業における音楽とリズムの本能的な動き』

 

②(ほぼ)楽譜のみのもの

『No. 1 2音から5音の歌』

『No. 2 音程の歌』

『No. 2B 音程の歌 ピアノ伴奏付き』

『No. 7 ピアノのための読譜の初歩』

『No. 7B 4手のピアノのための読譜の初歩』

『No. 8 ピアノのための12のやさしい曲』

『No. 9 小さな歩行(ピアノ用)』

『No. 10 小さな踊りと跳躍、歩行(ピアノ用)』

 

③文章と楽譜の比率が同程度のもの

『No. 7C 鍵盤のたのしみ』

(多くの譜例を伴いながら指導者に向けてピアノを用いての実践方法を説明したもの)

 

こんなふうになっています。

内容も構成もまちまちのため全部を一緒くたに語ることはできませんが、今後は必要に応じてそれぞれの詳細もご紹介していきたいと思います。

もしリクエストがありましたら、いつでもお気軽にお寄せください。